漢のお道具箱 Delta/MT30カスタム 完結編

すけさん

2023年03月04日 21:54



今使っているお気に入りの道具たちをそのままパッケージで孫の代まで伝えたい。

という思いでつくりはじめた漢のお道具箱シリーズ 早くも完結編です。

その1ではDelta/MT30に多孔ボードとランタンスタンドをとりつける迄でした。

今回は蓋を開いた部分に板を渡してテーブル化しオリジナルプレートを貼り付けることで完結します。

ウォルナットの天板が思ったより力作になったので続きに詳細を記します。

下の写真のようにアルミコンテナに板を渡してテーブル化するのはもはやアルミコンテナカスタムの定番です。
webから引用



今回は3代使えるお道具箱にするため天板も丈夫な銘木ウォールナットで決まりです。
ちょっと贅沢に一枚板仕様でつくろうと思います。

ウォールナットの無垢板をカットオーダーし、2ヵ月かかって届いたのがこちら。

440x300x12mmサイズのウォールナット無垢材です。
今は白っぽく見えますがオイルフィニッシュすると深い濃い色合いに変わります。

このサイズになると完全な一枚の無垢板を取るのは非常に高価になるため2枚を貼り合わせた幅はぎ板です。
よくみると板の上下で木目が変わってるのが判ります。

このように蓋をあけた状態でテーブル天板としてつかいます。


この大きさの一枚板だと当然コンテナ内に収納することはできません。
普段はコンテナの蓋の上に固定し蓋を閉じた状態でもテーブルトップとして使えるようにしようと思います。
こんな感じで。



この位置で動かないような工夫が必要です。
マグネットでとりつけようか?なにかフックなどで固定できないか等いろいろ考えましたが、あまり蓋にゴチャゴチャ加工したくなかったのでシンプルに乗せるだけで位置が決まるようにしたいと思います。

蓋には蓋裏に多孔ボードをとりつけたボルトが出ています。

このボルトの頭を捉えられるように穴をあけたウォールナットの板(木材サンプルでもらったもの)を用意します。
これを四隅のコーナーの形に合わせて対角線上に貼り付けることで蓋の上で板がズレることはなくなりました。



蓋を開いたらそのままこの位置に移せばOK


このままオイルフィニッシュして完成でも良いのかもしれませんが真ん中に接合面がある幅はぎ材なのでこのまま重いものを乗せるとパキッと折れたりしないか心配になります。
なので接合面に垂直になるように何本か梁をつけて強化しようと思います。

あとは適当にオイルフィニッシュすればカッコいい天板が出来上がると思っていたのですが・・・
 甘かった。


届いた無垢板を壁際に立てかけておいたら次の日持ってすぐに判るほど反りが発生していました!

余りの反りっぷりに狼狽し写真も撮り忘れていますが、平面に置いたときに中心部が約4㎜くらい浮き上がっているような状態です。
無知な自分は梁の棒をアーチ状のカーブに削って曲がった面にフィットさせるしかないと思い暗澹たる気持ちで翌日を迎えます。

置いていた場所がフラットで温度が安定していたせいか翌朝は前日の反りっぷりがなにもなかったかのようにフラットに戻っていました!

ここで初めて天板、反り、反り止めなどというワードでググってみると無垢板の反りについて多少知識が得られました。

無垢板は呼吸しながら温度、湿度の条件で反ったり戻ったりするものだそうです。

反らないように金属プレートなどでガチガチに固定してしまうと反ったり戻ったりが出来なくなり逃げ場を失った応力で板が割れてしまったりするそうです。

あぶね~、そんな事知らずに棒を接着剤で貼り付けたうえで木ネジでガチガチに固定しようと思っていたよ。

じゃあどうするか?

反り止めの梁を渡すのは良いのですがそれをガチガチに固定するのではなく、木が動いたらそれに対応できるようにアソビを持たせながら固定するのだそうです。

具体的にはこうします。
ねじ止めしたい場所に下穴をドリルであけて


そこに鬼目ナットという金属製のねじ穴を打ち込みます。

要は木に金属性のボルトを固定できるようにするのです。

そこにボルトの径よりも1㎜くらい大きな穴あけた梁をボルトで固定します。

木が動いても大き目の直系の穴で吸収させるのです。

当初2本くらいと思っていたのですが鬼目ナットも余っていたしウォールナットの棒も余っていたので5本付けてしまいました。


おっと、この工程の間にオイルフィニッシュはしときました。
これくらい色が変わります。


コーナーの添え木もフル実装し反りを良い感じに受け流す天板が出来上がりました。


ボックスの上にもジャストでハマります。


ここまでドリルで穴あけややすり掛けなど結構大変でしたが作り上げた充実感は半端ないですw


素晴らしい天板ができたので蓋を開けてのせてみるとこんな感じ。




あとは引き継ぐときまでお気に入りの道具を吟味しながら作り上げていこうかと思います。
このブラスの火吹き棒とか


フレックスライトやストームブレーカー、雪丘のランタン、銅のコヘルなどなど




エクステリアも手を加えます。
ファミリーの歴史に深く関わりのあった愛車のエンブレムもつけてしまいましょう。


この車は独身時代から結婚、第一子、第二子の出産、家購入、そしてワンコを迎え入れるまでのすべてのイベントを共に過ごしました。


乗り換えるときにエンブレムを外してとっておいたのです。
ファミリーで使われるボックスとなって復活してもらいましょう。

最後に真鍮のプレートを貼り付けて完成です。


ネーミングはR.C.サクセションのオマージュです。
Reminders of Crober Succession
 (クローバーというグループの残党グループの継承って意味だったってしってた?)

サクセションは継承とか伝承、遺産という意味があります。




このボックスが100年続きますように。


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